「コネクティング ザ ドッツ」を自らつなげにいく

2025年1月末でGMOペパボ株式会社を退職します。現在有給消化中になります。

領域を広げた6年間

ダーマの神殿だった

ダーマの神殿に行った気持ちで」と入社したGMOペパボ株式会社(以下ペパボ)での日々は確実に自分のソフトウェアエンジニアとしての領域を広げてくれました。

ペパボは多くのサービスを運用している会社です。それぞれは全然違うサービスでありながら「人類のアウトプットを増やす」という点で繋がっています。 全然違うサービスなので、サービスとして提供している価値が異なります。そして、その違いは要求される技術の幅につながっています。

私は、その振り幅を存分に体験できる位置で活動をすることができました*1

また、特徴のある評価制度による自身の実績の言語化と内省は、なかなかにタフでしたが着実に力をつける機会となりました。

結果として私としては「Webアプリケーションエンジニア」と名乗るよりも「ソフトウェアエンジニア」と名乗った方がしっくりくるように感じるようになりました。

そうやって領域を広げられたと私が感じているいくつかの断片はOSS登壇の資料にあります。

ペパボで直面した個人的もしくはチームとしての技術的課題から多くのOSSを作成しています。

ペパボ在籍期間中に作成したOSSは100を超えていました。

$ gh repo list --source --json name,createdAt -L 1000 --jq '.[] | select(.createdAt >= "2018-03-01T00:00:00+0900") | .name' | wc -l
     153
$

あの時の期待は間違っていなかった(期待以上の環境だった)と思います。

6歳=6年

そういえば、「ペパボに何年いる(いた)んですか?」という質問にたいてい「5年」と答えてしまっていたと思うのですが、それは間違いで、本当は6年でした。

6年、ペパボの在籍年数は子供の年齢と一緒なんです。ペパボに入社して1年目に子供が産まれたのでした。

k1low.hatenablog.com

ペパボでの在籍期間は、そのまま子育ての期間でした*2。 子育てという面でも会社やチームメンバーに多くサポートしていただきました。 そういえば、私は「子育てとの両立」という面で困ることはありませんでした*3。本当にありがたかったです。

我が子が最初にちゃんと読んだカタカナはこのうちわの「カラーミーリピート」です(2022年の社内夏祭りイベントのうちわ。2024年冬撮影)



技術面も家庭面も領域を広げた6年でした。いるだけで成長できる環境

コネクティング ザ ドッツ

「コネクティング ザ ドッツ(Connecting the dots)」は、ご存知の通り、スティーブ・ジョブズのスピーチの中の言葉です。

2つのドット

ペパボでは、技術部技術基盤チームに所属していた期間が最も長いのですが*4、さまざまな領域の課題に携わらせていただきました。技術的な挑戦も存分にさせてもらえました*5ホスティング事業部でも、そのサービスの特性から強制的に技術レイヤーを横断することになり考える幅が縦にも広がりました。

全く異なるサービスに存在する技術課題をうまく抽象化してまとめて解決するというようなプロジェクトにも参加させてもらいました*6

そういった活動をしているうちに、私は「開発者のための開発」が好きなんだと気づくことができました。

k1low.hatenablog.com

また、別の話ですが、私は「0からの開発」が相対的に得意なようです。 「顧客(ターゲット)が何を必要としているのかを考え、知り、サービスがどうあるべきか、どのような価値を先も見据えた上で提供するべきなのかを考えてモデリングする、アーキテクチャを定めていく」という領域です。 これは、前職である株式会社Fusicで培った能力です*7

私は強い専門性は持っていないのですが、この2つの経験を持っている点は強みだと考えています。

開発のためのサービス

漠然と「この2つの経験が交わるような仕事ができれば面白いなあ」と思っていました。

一方で、特に「開発者のための開発」のほう、つまり「開発のためのサービス」で、しかもそのサービス自体の開発に携われるような仕事は(特に日本かつ福岡からリモートでは)なかなかないだろうとも考えていました。

そう考えていたのですが、見つけてしまいました。

どうするべきか、そもそも私の技術力が通用するのかがわからず、たぶん半年以上は考えていたのですが、やはり、挑戦してみることにしました*8

ドットを繋げる

www.tailor.tech

2025年2月からテイラー株式会社にソフトウェアエンジニアとしてお世話になります。

テイラー株式会社はTailor PlatformというERPプラットフォームを開発・提供している会社です。

そして、ミッションに deploy の文字がある会社です。

スティーブ・ジョブズの「コネクティング ザ ドッツ」は、本来「過去の経験(点と点)らが、振り返るとつながっていて活きることがある。それは事前にわかるものではない」という意味です。

you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards*9.

本来の意味とは違うと思うのですが、私はテイラー株式会社で私が持つ2つのドットをつなぐことができるのではないかと期待しています。

So you have to trust that the dots will somehow connect in your future*10.

だって、こんなことしたり、こんなことしたり、こんなことしているわけです。さらにはこんなことも。

なので、「コネクティング ザ ドッツ」の意味を理解したうえで、あえて2つのドットをつなげにいってきます。



「コネクティング ザ ドッツ」を自らつなげにいく(タイトル回収)。

さいごに

ペパボのパートナーの皆さん、大変にお世話になりました!! 皆さんのこれからのアウトプットを楽しみにしています!

また、インターネットで会いましょう!Pull Requestも待ってます!

では!k1LoWの次回作にご期待ください!

*1:詳しい思い出は社内のNotionに残してきましたので知りたい方は入社しましょう

*2:これからも子育ては続きます

*3:実は「とっとが働いているところに遊びに行きたい」とずっと言われていたのですが実現できなかったことだけは心残りです

*4:入社前から憧れのチームでした。

*5:お蔵入りになったモノも多くあります

*6:実際、この領域が一番楽しかったです(極めて限定的にですが外に見える部分だと octocov とか runn とか 2manymws とかが、そのような領域に関係していました)

*7:多くの受託案件を経験したのですが、その全てが開発者が顧客と対話するというスタイルでした。

*8:奥さん、その節は大変お世話になりました。

*9:ref: https://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc

*10:ref: https://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc